季節の変わったこと

会議中に何かが窓に当たる音がして、滅多に聞こえない種類の音に驚きながら外に目を向けると夕立で空も暗くなっていた。

相手は遠くからの来客なので、すぐ止むだろうしちょっと涼しくなると思いますよ、などと言ってすぐに元の話に戻るものの、どこかでもう少しきちんと説明をしてあげた方が良かったのではないかという気持ちを雨音が離さない。

身体は何日か前からとっくに夏を予感していたが、頭の方はまだ梅雨明けとの発表は気象庁からされていないし紫陽花も咲いていたことにこだわっていて、外とガラス1枚隔てた生活をしていると誰かに認定してもらわないと季節が変わったことも納得できないし、天気の話ですら素っ気なくしかできないのはこのせいなのだろうかと考えたりもする。

帰り道。濡れた地面と昼間よりも緩んだ気温、澄んだ空気に自分の季節が塗り変えられた。